「灰」情報


なぜ「灰」に注意しなければならないか

 

《薪ストーブの灰は、薪の放射能を200倍に濃縮する》

例えば、2ベクレル/Kgの薪を燃やすと、灰は1/200の容積になりますが、セシウムの量はほとんど変わらないので、放射能濃度は200倍の400ベクレル/kgに濃縮されます。


「灰」は有効利用できるか

 

《灰を畑にまいてもいいかな?》

灰は昔から家庭菜園や畑の肥料として活用されてきました。ところが、福島第一原発事故以降、農水省は肥料・土壌改良資材・培土中に含まれる放射性セシウムの暫定許容値を400ベクレル/kgとしました。しかし、埼玉県内の農地・家庭菜園の土壌の放射能濃度は、60ベクレル/kg前後です。

 

《灰はわらびのあく抜きに使える?》

灰はわらびなどのあく抜きにも活躍します。市場を通して流通する野菜から放射能が検出されることはほとんどなくなりましたが、わらびをはじめとする山菜・野生きのこは、いまだに東日本の多くの県で出荷が制限されています。山菜のあく抜きに東日本産材の灰を使うのは、2重の意味で問題があります。

 

《食器洗いに灰を使えるかな?》

灰や灰汁はアルカリ性洗剤として食器洗いにも使用できます。また、バーベキューで出た灰は、油汚れを落とす洗剤として利用できます。しかし、食器にせよ、調理具にせよ、食べ物と直接触れるものです。できるだけ放射能に汚染されていない灰を使いたいものです。


何ベクレルならいいの?

ベクレルとは、放射性物質の量を測るための単位で、食品や土壌にどれくらい放射性物質が含まれるかを表します。以下 Bq/kg と表示します。

 

放射能に関しては、これ以下は安全という閾(しきい)値はありません。どこまで許容するかは、自分で決めるより他ありません。以下は、判断のための参考資料とお考えください。

 

1) 原子炉等規制法の「廃棄物を安全に再利用できる基準」は100Bq/kg

これは福島第一原発事故前からある基準です。現在でも、この基準に基づいて

・脱水汚泥等を利用した副次産物の利用

・砕石及び砂利の出荷基準

は、100Bq/kgとなっています。食品の基準と同じというのは、ちょっと変な感じです。

 

2) 指定廃棄物の指定基準:8,000Bq/kg

基準を越えるものについては、指定廃 棄物として国が処理を行う (放射性物質汚染対処特措法省令等) <環境省>

※HSF市民測定所・深谷の測定が埼玉県内で発見した、0.23μSv/h以上のいわゆるホットスポットの土壌は多くの場合、8,000Bq/kgを超えます。しかし自治体は、除染時に土壌測定はしないので、除染した土壌が”指定廃棄物”の可能性があっても地中に埋めて処理します。

 

3) 肥料・土壌改良剤等においては400Bq/kgまでを当面の暫定許容値とする<農林水産省>

埼玉県内の耕作地の土壌を測定すると、平均で60Bq/kg前後なります。ここに400Bq/kgの灰を投入する気になるかどうか、これは個人の判断です。なお、非耕作地だと平均120Bq/kg前後です。

 

4) 薪の灰については、その安全性が確認された場合を除き、庭や畑にまくことなく、市町村等が収集し、保管・処分等を行うこと<環境省>

 秩父市は不燃ごみとして、収集した8000Bq/kg以下の灰は、地中に埋めています。


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